2013年4月1日月曜日

ニューヨーク2013⑦ ハーレム・ユナイティド

アメリカは日本社会に先んじて格差社会と言われてきました。大富豪が高級ホテルに住み続けているのもニューヨークなら、食うや食わずの貧困にあえぐ人々もいると言われています。また、人種や民族の多様性を謳歌している一方で差別も渦巻いている社会でもあります。ハーレムは黒人居住地区として日本でも知られ、治安が悪いとか、貧困地区であるとかいうイメージで語られてきました。そのハーレムで性的少数者の健康、ホームレスの人などを中心に住居、など包括的にサポート活動をしてきているハーレム・ユナイティドという団体があります。青少年についての取り組みももちろんしています。現在ではハーレムの中心に5か所も拠点があります。そのうちの一つ、居住センターに伺いました。ジェントリフケーションと呼ばれる再開発で治安や、インフラも変化しているといわれるハーレムですが、アフリカ系アメリカ人の中でもさらに差別がある性的少数者の取り組みは貴重なのだと思います。アメリカ社会の市民活動の層の厚さということなのでしょうか。

ニューヨーク2013⑥ DCTV

独立系テレビ局として独自の視点を持ち、社会を暖かく、かつ権力に従属しない立場から報道し続けてきているDCTVを訪問し、DCTVを設立された共同代表の津野恵子さんにお会いしてきました。設立して40年になるDCTVですが、35年間10代の若者が自分にとって切実なテーマをドキュメンタリーで深く掘り下げていくという映像をつくるプログラムを続けてこられました。津野さんには、10年ほど前に初めてお会いしてから何回かお目にかかっていますが、毎回お話を聞くたびに勇気づけられます。津野さんは今では当たり前になっているビデオカメラを使ったドキュメンタリー映像の制作の草分けで、アメリカからの報道陣としては初めてカメラを持ってキューバに取材に行った人でもあります。アメリカで重要な仕事をしている映像人が若くてお金がない時に有形無形の支援をして育てるということもされてきました。日本の映像作りで生きていきたい人、映像に特に関心がなくても自分が好きなことをして生きていきたい人に、津野さんの話を聞いてもらいたいとの意を改めて強くしました。
津野恵子さんと修了したばかりの長井君